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年齢とともに気になる「筋力」

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月桃粉末とダイナペニア研究

特許第6251848号が見つめたのは、筋肉の大きさだけではなく「動ける力」でした

以前よりも階段がつらくなった。何もないところでつまずきやすくなった。椅子から立ち上がるとき、つい手をついてしまう——。年齢を重ねると、このような小さな変化を感じることがあります。

病気とはいえなくても、筋肉や筋力は少しずつ変化します。白井松新薬株式会社が取得した特許第6251848号は、月桃葉を独自の低温減圧乾留法で加工した粉末と、加齢に伴う筋力低下との関係に注目したものです。難しい特許の内容を、暮らしに引き寄せて見てみましょう。

年齢とともに減るのは、筋肉量だけではありません

加齢によって筋肉量が減っていく状態は「サルコペニア」と呼ばれます。一方で、筋肉量だけでは説明しきれない筋力の低下を「ダイナペニア」といいます。

筋肉がどのくらいあるかと、実際にどのくらい力を発揮できるかは、似ているようで同じではありません。私たちの暮らしで大切なのは、立つ、歩く、階段を上る、姿勢を保つといった日常の動きです。特許が注目したのは、まさにこの「動ける力」でした。

特許第6251848号は、何の特許?

特許の名称に登場するのは「ダイナペニア抑制剤」です。有効成分として示されているのは、月桃の主として葉の部分、またはバラの主として花の部分を低温・減圧条件で乾留したあと、装置内に残る固形分です。月桃の場合は、その残った部分を細かく粉砕した月桃葉乾燥粉末が試験に使われました。

一般的な蒸留では香りを含む液体に目が向きますが、この特許で主役になったのは、蒸留後に残る植物の粉末です。香りだけではなく、葉に残る成分にも価値を見いだしたところが、この研究の興味深い点です。

試験で確かめたのは「踏み外し」と「立ち上がり」

研究では、後ろ脚を使いにくい状態にして筋力低下のモデルとしたラットに、月桃葉乾燥粉末を21日間与えました。そして、網の上を移動したときに足を踏み外す回数と、後ろ脚で立ち上がる行動を調べています。

その結果、月桃葉乾燥粉末を与えたグループでは、足の踏み外しが少なく、立ち上がり行動が多いという統計学的な差が確認されました。つまり、この試験では筋力低下に伴う行動の変化が抑えられた可能性が示されたのです。

「筋肉が増えた」という結果ではありません

ここは、とても大切な点です。筋肉の重量については、対照グループとの間に統計学的に明確な差は確認されませんでした。特許の考察でも、筋萎縮そのものを抑えたというより、筋萎縮に伴う行動の低下に対して改善が見られた、と整理されています。

つまり、この研究から読み取れるのは「筋肉を大きくした」という話ではなく、「動くときの力の発揮や動作を保つ可能性」に注目した結果です。筋肉量だけでなく、実際の動きに目を向けているところに、この研究の面白さがあります。

これは、人で効果を確認した臨床試験ではありません

今回の試験はラットを用いた動物試験です。特許を取得していることは、発明の新しさや独自性が認められたことを意味しますが、同じ効果が人で確認されたことや、国が食品の効果を承認したことを意味するものではありません。

また、試験で用いた量を、そのまま人が摂る量に置き換えることもできません。当方で取り扱う月桃粉末も同じ低温減圧製法で作られていますが、1日2gの摂取によって人の筋力低下が改善すると断定できるデータではありません。今後、人を対象とした研究が待たれる段階です。

「動ける毎日」を考えることも、エイジングケア

エイジングケアというと、肌や見た目の変化を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、自分の足で歩く、出かける、階段を上る、好きなことを続ける——。こうした力をできるだけ長く保つことも、大切なエイジングケアです。

月桃葉粉末の研究は、植物が持つ可能性を「動ける力」という視点から見つめた第一歩といえます。ただし、筋力を保つ基本は、無理のない運動、十分なたんぱく質を含むバランスのよい食事、休養です。月桃粉末は、それらに代わるものではありません。

伝統的に暮らしの中で使われてきた月桃を、現代の製法と科学で見つめ直す。そこから見えてきた「筋力」という新しいテーマを、これからの研究にも期待しながら丁寧に追っていきたいと思います。

参考資料

・特許第6251848号「ダイナペニア抑制剤」(2017年12月20日発行)

・白井松新薬株式会社「製品情報|月桃葉」

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