沖縄の暮らしから、世界の研究へ
「月桃」と聞くと、沖縄のお土産や、葉で包んだお餅「ムーチー」を思い浮かべる方が多いかもしれません。沖縄では昔から身近な植物ですが、近年はその香りや成分に関心が集まり、国内外でさまざまな研究が進められています。月桃には、私たちがまだ知らない魅力がたくさんありそうです。
月桃は、沖縄の暮らしに寄り添ってきた植物
月桃(げっとう)はショウガ科の多年草で、学名をAlpinia zerumbetといいます。沖縄では「サンニン」と呼ばれ、庭先や野山でも見かける身近な植物です。初夏には、白い貝殻のようなつぼみに淡い桃色が差した、美しい花を咲かせます。
葉にはさわやかな香りがあり、食べ物を包んだり、お茶や香りの素材にしたりと、暮らしの中で大切に使われてきました。葉だけでなく、花、種子、果実、根茎にもそれぞれ異なる成分が含まれることがわかっており、一つの部分だけでは語りきれない植物です。
なぜ、世界でも研究されているのでしょうか
月桃は日本だけでなく、アジア、オセアニア、南米など、温暖な地域に広く分布しています。ブラジルでは「コロニア」と呼ばれ、昔からハーブティーなどに利用されてきました。そのため、日本とは異なる視点からも研究が積み重ねられています。
これまでに、月桃に含まれるポリフェノールや精油成分をはじめ、葉、花、種子、根茎などの成分について、細胞や動物を用いた基礎研究が報告されています。2024年には、部位ごとに含まれる成分の違いをまとめた総説論文も発表されました。
「沖縄の植物」というだけでなく、世界のさまざまな地域で関心を持たれていることも、月桃の面白さの一つです。
小さな生き物を使った、興味深い研究
月桃の研究としてよく紹介されるものに、線虫の一種であるC. elegans(シー・エレガンス)を使った実験があります。線虫は体が小さく、寿命が短いため、老化やストレスに関する基礎研究で広く使われています。
2013年に発表された研究では、月桃葉の抽出物を与えた線虫で、平均寿命が対照群より22.6%長くなったと報告されました。同じ実験で比較対象となったレスベラトロールより大きな変化が見られたことも、研究者の関心を集めました。
ただし、これは線虫を使った基礎研究の結果です。人が月桃を摂ることで寿命が延びるという意味ではありません。研究の結果を正しく知るには、「何を対象に、どのような条件で調べたのか」を一緒に見ることが大切です。
昔からの知恵と、現代の研究
植物は、長い間使われてきたというだけで、すべてが科学的に証明されているわけではありません。一方で、昔からの使われ方が、新しい研究のきっかけになることもあります。
月桃についても、香りや成分、植物が自らを守る仕組みなど、さまざまな角度から研究されています。しかし、細胞を使った研究、動物を使った研究、人を対象とした研究では、それぞれわかることが異なります。
本草ノートでは、強い言葉で効果を言い切るのではなく、現在どこまで研究されているのか、そして何がまだわかっていないのかも含めて、わかりやすくお伝えしていきます。
月桃の魅力を生かすために大切なこと
同じ月桃でも、育った土地、収穫する時期、使用する部位、乾燥や抽出の方法によって、香りや含まれる成分は変わります。植物の魅力を生かすためには、原料の選び方だけでなく、どのように加工するかも大切です。
MAKISE LABが月桃に注目してきたのは、昔から親しまれてきた植物でありながら、現代の研究によって新しい一面が少しずつ見えてきたからです。月桃シリーズでは、成分、研究、製法など、月桃のさまざまな魅力をご紹介します。
関連製品:JIPANG Ginger Optimal
MAKISE LABでは、有機JAS認定の琉球在来種の月桃を使用した「JIPANG Ginger Optimal」を開発しています。月桃原料は、素材の特徴を大切にするため、白井松新薬の乾留法によって加工されています。
本記事で紹介した研究結果は、月桃という植物に関する学術情報であり、特定の製品の効能・効果を示すものではありません。製品については、原材料や製法などの情報をご確認ください。
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参考文献
Nishidono Y, Tanaka K. Phytochemicals of Alpinia zerumbet: A Review. Molecules. 2024;29(12):2845.
Upadhyay A, et al. Significant Longevity-Extending Effects of Alpinia zerumbet Leaf Extract on the Life Span of Caenorhabditis elegans. Biosci Biotechnol Biochem. 2013;77(2):217–223.
Chan EWC, et al. Alpinia zerumbet, a ginger plant with a multitude of medicinal properties: An update on its research findings. J Taibah Univ Sci. 2017;11(5):775–788.
















